個人的にも親しいと言われているが(C)EPA=時事

 

 安倍晋三首相は9月6、7日、ロシア極東ウラジオストクで開かれる東方経済フォーラムに出席し、プーチン露大統領と通算19回目の首脳会談を行う。プーチン大統領はそれに先立つ9月3日~5日、中国福建省アモイで開かれているBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)首脳会議で、初日の3日に習近平中国国家主席と通算24回目の首脳会談を行った。首脳の会談回数、中身ともに中露が日露に先行するが、中露関係は習政権下の5年間に、前任の胡錦濤時代より一段と緊密化した。背景には、プーチン、習両首脳の個人的親交がありそうだ。

互いに「親友」と強調

 プーチン大統領と前任の胡錦濤氏は、10年間で40回以上会談したが、公表されている2人のやりとりは公式的で面白みがなく、肉声が伝わってこなかった。プーチン、習両首脳のやりとりも基本的には変わらないが、互いに「親友」「わが友」などと呼び合い、個人的親交を強調する。

 今年7月3、4日の習主席のロシア公式訪問でも、それが顕著だった。プーチン大統領は、中露友好に貢献したとして、習主席にロシア最高勲章である「聖アンドレイ勲章」を授与し、習主席を「私の親しい友人であり、緊密な中露協力の守護者」と賞賛。習主席は「プーチン大統領の個人的配慮に深く感謝する。中露の包括的パートナーと戦略的協力の歴史の中で、現在が最良の時期だ」と応じた。習主席は首脳会談の冒頭、「ロシアは私が国家主席に選ばれて最初に訪問した国だ。私の訪問回数が最も多い国がロシアだ。外国指導者の中でもプーチン大統領と最も親密な接触を取っている」と個人的親交を強調していた。

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