「私用メール問題」が浮上したクシュナー大統領上級顧問(右はイヴァンカ夫人、左はマクマスター国家安全保障問題担当補佐官)(C)AFP=時事

 

 混迷が続くワシントンから、連日のように、耳を疑うようなニュースや目を覆いたくなる大統領のツイッターが届いてくる。ため息の出る報道やつぶやきにも馴れっこになってしまった昨今とはいえ、ジャレッド・クシュナー大統領上級顧問が公用メールに私用アカウントを使用していたというニュースは、いつもの驚きを超える衝撃だった。まして、ロシアゲートでは疑惑の渦中にいるクシュナーである。

女形のようなソフトな声

 興味深いことに、これだけの要職につき、その長身が連日のようにテレビニュースに映し出されていたにもかかわらず、クシュナーが公の場で発言することはなかった。妻イヴァンカと仲睦まじく歩いていたり、大統領執務室でトランプの前に座って意見したり、中東歴訪時にはイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と会談したことがニュースになったものの、誰ひとり大統領上級顧問の肉声を聞いたことがなかったのである。

 ロシア疑惑を追及する下院情報委員会に召喚された7月24日、ホワイトハウスで記者会見に立った彼は姿勢を正してこう口を開いた。

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