「元テレビ司会者」や「ミス議会」、最年少は何と三十一歳。イタリア新政権に四人の女性閣僚を起用した首相の狙いは――。[ローマ発]「イタリアのベルルスコーニ政権に、美人閣僚が四人も誕生したんだって?」――日本の知人に聞かれた。だが、当地ローマではさほどの話題にはなっていない。いろいろ聞いてみると、特に「美人」という部分に首をひねる人が多い。では、イタリア人はこの四女性閣僚をどう見ているのだろう。「四美人? うーん、一人は確実にそうだけど、あとはどうかなあ」とはローマのフリーの記者、デフランチェスキさん(三六)の見解。美の基準はいろいろなので、何とも言いようがないが、「四美女」といった言葉はあまり聞かない。独紙「世界で最も美しい閣僚」「背が高い」「スタイルがいい」「なんとなく魅力的」「気だてがよさそう」……。ほめ言葉はいろいろだが、十人中九人が「美女」と口をそろえるのは、この人、男女や人種などの平等のあり方を担うマーラ・カルファーニャ機会均等相(三二)のことだ。 彼女が就任すると、ドイツのメディアがこぞって「世界で最も美しい閣僚」と報じた。イタリアでは、髪を短くして地味な服装になった彼女の様子を半ばからかいながらも神妙に伝えていた。

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