この数年来、推測ばかりが先行していた中国の通信業界再編がようやく動き出した。五月下旬、中国政府は、地域やサービスごとに提供会社が分かれる現在の体制を見直し、全国規模で固定電話から携帯電話までの総合サービスを手掛ける有力三社を誕生させる方針を発表した。 二〇〇一年に中国電信集団(当時)の南北分割を決めて以来の大型再編で、関係者からすれば「待ちくたびれた」という感もある。しかし、これまで延び延びになっていた第三世代携帯電話(3G)サービスの免許を「再編終了後に三社に発行する」と重要な前進もみられた。 再編の目玉は、従来の予想通り、携帯二位で「CDMA」と「GSM」という異なる規格のサービスを兼営してきた中国聯通(チャイナユニコム)の事実上の分割だ。CDMA事業は固定最大手の中国電信(チャイナテレコム)へ売却。残る聯通は固定二位の中国網通(チャイナネットコム)と合併する。 中国の携帯電話加入件数はすでに五億を突破。一方で固定電話加入件数は〇七年末に初めて前年比マイナスに転じた。先行きが見えない固定二社は今回の再編で念願の携帯進出を果たす。一方、携帯最大手の中国移動(チャイナモバイル)は鉄道省系の固定通信会社、中国鉄通を買収。固定通信に参入する。

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