ヤマダ電機が中国進出 地元「二強」に挑む

執筆者:山谷剛史2008年7月号

 家電量販大手のヤマダ電機が二年以内に上海に進出する計画を打ち出した。日本の家電量販店の中国本土への進出は初めてで、注目が集まる。 中国の家電業界は、数年前まで最大手の国美電器と二位の蘇寧電器が中国全土の大都市をカバーし、他の電器店が華東地域など中国の一部をカバーしていた。ところが近年、家電業界の再編が起きている。国美は二〇〇六年に上海の永楽電器、〇七年に北京の大中電器など地域に根ざす家電量販店チェーンを次々に買収し、〇八年には山東省に基盤をもつ三聯商社への資本参加も果たした。国美とその傘下の家電量販店の店舗数は千三百店を超えており、蘇寧も今年末には八百店を構えることになる。業界三位を大きく離し、「二強」による寡占化が進んでいる。 一方、〇六年末、米家電量販最大手BestBuyが、中国一号店を上海にオープンした。メーカーごとに売り場を分ける中国従来の店舗とは異なり、日本や米国と同じく、商品ごとに売り場を区切る仕組みを採用。品揃えとしては米アップル社のパソコンのマックをはじめとした高級家電を多数店頭に並べたことから、最先端好きで貪欲な上海の消費者を取り込んだ。 また、BestBuyは上海で直営店を運営する前に、家電量販大手の五星電器を買収している。北京にも事務所を設け家電量販店の買収を計画していたが、こちらは失敗し、北京からは撤退している。

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