党政治局員候補に大抜擢された、金正恩党委員長の実妹・金与正氏(中央) (C)時事

 

 今回の人事では、金正恩(キム・ジョンウン)党委員長の実妹である金与正(キム・ヨジョン)氏が、党政治局員候補に選出された。

 金与正氏は1987年生まれ、88年生まれ、89年生まれという諸説がある(誕生日は9月26日)。とにかく、30歳になるかならない年齢での党政治局員候補は破格の昇進だ。

 日本のメディアではこの人事が注目されているが、党政治局員候補になったこと自体はそれほど大きな意味はないとみられる。金与正氏が金正恩政権で果たしている役割は、職責によって生まれているのではなく、最高指導者の実妹だから生じているためだ。

 北朝鮮に近い消息筋から漏れてくる話では、金正恩党委員長に提案をする場合、唐突に金正恩党委員長に上げても理解してもらえないので、事前に金与正氏に上げて相談し、金与正氏は非公式に兄の金正恩党委員長に説明するという手法を取る場合があるという。新たな提案の場合は特にそうで、金与正氏を通じて事案を進めることで、円滑な事務処理ができる場合が多いという。

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