この首脳「立ち話」会談で「すべての問題を協議した」というが……(C)AFP=時事

 

 ベトナム・ダナンでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会合に出席したロシアのプーチン大統領は11月11日の閉幕後、現地で記者会見し、トランプ米大統領との首脳会談が実現しなかったことについて、「われわれの担当者が残念ながらスケジュールを調整できなかった。彼らは処分される」と述べ、強い不快感を表明した。中国の習近平国家主席がトランプ大統領を盛大に歓待し、「米中枢軸」を世界に見せつける中、プーチン大統領は短時間の米露首脳会談すら設定できなかったことに相当苛立った模様だ。大統領は会見で、その腹いせとばかり、安倍・プーチン時代の平和条約締結を否定するような発言をし、米露関係と日露関係は連動することを指摘した。

APEC欠席も検討

 ロシア紙『モスコフスキー・コムソモーレツ』(11月9日)によると、首脳会合の1週間前、クレムリンでは外交成果が期待できないとして、プーチン大統領がAPEC出席を中止し、直後のフィリピンでの東アジアサミット(EAS)に参加するメドベージェフ首相が代理出席することを検討していたという。しかし、米側が米露首脳会談開催に前向きな姿勢を示したことから、往復20時間以上かけて滞在1日だけのベトナム訪問を強行した。

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