10ポイントの大差で勝利し、正式な共和党候補になったムーア氏だったが……(『CBSN』サイト)

 

【ワシントン発】 ジェフ・セッションズ上院議員(当時)がドナルド・トランプ大統領により司法長官に指名され、就任したことを受け、アラバマ州選出の上院議員補欠選挙が12月12日に行われることになっている。ところが、共和党にとっては牙城である深南部(ディープ・サウス)のアラバマ州において当初は無風選挙になると見られていたにもかかわらず、党内対立とスキャンダル疑惑の発覚により、共和党自体が大きく揺さぶられる状況が突如発生することとなった。その結果、民主党が20年以上振りに議席を奪還する可能性も浮上し始めている。

「バノン氏」対「共和党主流派」の争い

 セッションズ氏の司法長官就任に伴う上院議員辞任を受け、アラバマ州憲法に基づいて共和党のロバート・ベントレー州知事(当時)は、州司法長官であったルーサー・ストレンジ氏を上院議員に暫定的に指名した。だが、ストレンジ氏は今年8月15日に行われた共和党の予備選挙で過半数の得票を獲得できなかったため、上位2名による共和党予備選挙の決選投票が9月26日に実施された。決選投票でストレンジ氏は約10ポイントもの大差で敗北を喫し、正式に共和党上院議員候補となったのは、銃規制や同性婚を始めとして社会的争点などで超保守的立場を明確にしているロイ・ムーア元アラバマ州最高裁判所判事であった。

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