「こんなに悩んだ役はない」:映画『全員死刑』母親役・入絵加奈子インタビュー
2017年11月27日
2004年9月、福岡県大牟田市で1家4人が共謀し、金銭トラブルからわずか2日で知人家族ら4人を殺害した強盗殺人・死体遺棄事件が起きた。地元暴力団組長の父親(当時60)と母親(同45)、傷害致死の前科があった長男(同23)と次男(同20)が相次いで逮捕。裁判では家族4人全員に死刑判決が下り、確定したという犯罪・刑法史上稀にみる特異な事件である。
犯行の手口は、絞殺のうえ遺体を重し付きで川に遺棄し、貴金属を強奪。拳銃で射殺するもまだ存命と分かるやアイスピックで複数回刺し絶命させ、車ごと川に沈めるという凶悪残忍かつ無軌道なものだった。
後に、4件の殺人すべての実行犯である次男が獄中手記をまとめ、それをもとにジャーナリストの鈴木智彦氏が『我が一家全員死刑』(コアマガジン、2010年)を刊行。これを原作にした映画『全員死刑』が、11月18日から公開されている。
実際の事件では実行犯ではなく「従属的だった」と主張していたものの、判決では「すべてを主導していた」と認定された母親を、映画では女優、入絵加奈子さんが演じている。
記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。