ドイツ政治の行方がフランス、そしてEUの将来を左右する(左からメルケル独首相、マクロン仏大統領) (C)EPA=時事

 

 ドイツで、大連立政権誕生の可能性が強くなった。社会民主党(SPD)は11月23日から24日にかけての8時間に及ぶ執行部会議で、アンゲラ・メルケル首相率いる保守派与党キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)と、大連立政権樹立のための交渉を開始することになったのだ。

ドイツの国内政治が収拾される見込みが立って、欧州統合は辛くも危機回避の公算が強くなった。23日にはマルティン・シュルツSPD党首が、同党出身のフランク=ヴァルター・シュタインマイヤー大統領の呼び出しに応じ、大連立政権への参画の説得工作が試みられていた。

 9月に行われた同国総選挙では、CDU/CSUが第1党になったとはいえ、単独過半数は取れず、以後は連立政権のための交渉が進められていた。

CDU/CSUは、自由民主党(FDP)と緑の党との3党連立政権構想を試みてきたが、FDPとは難民受け入れやユーロ圏共通予算について折り合いがつかず、11月20日に連立交渉が決裂したことが公にされていた。

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