ハンガリー人が驚いた「日本の高齢化」

執筆者:医療ガバナンス学会2017年12月8日
筆者の吉田さん(中央)とともに学ぶハンガリーの医学生ら。吉田さんは1994年生まれ、千葉県出身。2013年にハンガリーへ渡り、1年間Pre-medical schoolを経て、現大学に。

 

【筆者:吉田いづみ・Semmelweis(センメルワイス)大学医学部生】

 私はハンガリーで医学を学んでいる。先日、共通の友人を通じて、30代のご夫妻と出会った。ご主人はハンガリー人で、IT関係の仕事をしている。奥さんはハンガリー育ちのベトナム人で、デザイナー兼アジア料理店の経営者だ。この春に結婚をし、日本の伝統的なデザインと日本料理に憧れ、9月に1カ月ほど新婚旅行で日本を訪れたという。東は東京、西は広島、北は金沢までを旅し、「お気に入りは金沢の白川郷だ」と楽しそうに話していた。デザイナーの奥さんは、「白川郷の合掌造りの家や集落の並びに一目惚れした」と言っていた。着物も購入し、とても充実した新婚旅行だったようだ。

 そんな中、2人が顔を曇らせつつ話し始めたのは、日本の高齢化問題だった。ご主人は、「はっきり言って悪いけど、日本の高齢化は顕著だと思う」と言っていた。「どこに行っても老人ばかりで、若い人をまったく見かけない。 タクシードライバーも清掃員も力仕事もみんな年寄りがしている。田舎に行けば若い人はゼロ、都心にはベトナム人やフィリピン人のコンビニ店員ばかり。それなのになぜ、日本は移民を受け入れないのか?」と不思議がっていた。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。