日ロ両首脳の直近の会談は11月、ベトナム・ダナンで行われた (C)時事

 

 20回を数えた安倍晋三首相とウラジーミル・プーチン・ロシア大統領の首脳会談は、この1年、本筋と関係のない4島での共同経済活動ばかり討議され、領土帰属問題は難航との見方が支配的だが、実は首脳会談で必ず行う2人だけの密室会談では帰属問題を協議しており、一定の進展があり得るとの見方が一部で出てきた。

北方領土最終解決も?

 米有力誌『ナショナル・インタレスト』(電子版、12月12日)は、日ロ両国の安全保障対話が進展しており、「いずれ、両国は北方領土問題を解決する可能性がある」と報じた。

 同誌は12月初旬に行われた、ロシア軍制服組トップのワレリー・ゲラシモフ参謀総長の訪日に注目。日ロ両国が海上防衛分野での協力拡大で一致した、と伝えた。日本のメディアでは、「日米韓訓練に懸念表明=ロシア制服組トップが小野寺防衛相に」(『時事通信』)、「ロ軍幹部が北朝鮮で小野寺防衛相をけん制」(『TBSテレビ』)などと対立面ばかり報じられたが、ロシア軍参謀総長が、対立だけが目的で約7年ぶりに訪日するはずがない。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。