12月12日、「アトランティック・カウンシル」で講演するティラーソン米国務長官。この時の発言を、トランプ大統領派一部否定したが…… (C)AFP=時事

 

 緊張が高まる朝鮮半島。もし米朝開戦の事態に至れば、北朝鮮の現体制はほぼ確実に崩壊する。その場合、最も懸念される重大な問題は核兵器の行方だ。

 この問題について、レックス・ティラーソン米国務長官はこのほど、「中国側とどうすべきか協議を重ねている」ことを認めた。その上で、米軍が38度線を越えて、北朝鮮領土内で核兵器を探索して確保し、無能力化すれば、状況如何にかかわらず「米軍は撤退すると中国側に確約した」と言明した。

 実は、北朝鮮崩壊時の核兵器の安全確保問題は米軍だけでなく、米情報当局にとってもインテリジェンス上極秘事項とされてきたが、ティラーソン長官が何の前触れもなく協議の内容を公表したことから、波紋が広がっている。

核施設への先着は中国軍

 この問題は、バラク・オバマ米、李明博(イ・ミョンバク)韓国両政権がまとめた作戦計画「5029(OPLAN5029)」の策定作業でも議論になった。「OPLAN5029」は北朝鮮崩壊時の米韓両軍の具体的な作戦計画から成っており、韓国は主として難民対策を担い、米国は北朝鮮核兵器の確保を担当することになったという。

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