米政府内の知日派減少が指摘されて久しいが、次代の有望株とみられているのが昨年着任した在日米大使館のマーク・ナッパー政治部次席(三八)だ。来年にはマイケル・メザーブ駐日公使(政治担当)の転出に伴う公使昇格もささやかれており、日本政府筋も「将来はリチャード・アーミテージ氏やマイケル・グリーン氏のような有力知日派になる」と期待する。 ナッパー氏はプリンストン大で日本政治を学んだ後、東大大学院に留学し、自民党国際局で働いたこともある経歴の持ち主。「通訳レベル」(米大使館筋)の日本語を駆使した日本政界人脈作りは、国会議員から秘書にまで及んでいる。福田康夫首相の長男で政務秘書官を務める達夫氏とも旧知の間柄だ。 朝鮮半島問題にも通じている点も強み。韓国語にも堪能で、クリントン政権時代にはオルブライト国務長官の訪朝の際、平壌に先乗りし、北朝鮮側との折衝に当たった。外務省内でも「日米間のわずらわしい課題は専らナッパー氏と交渉している」(同省幹部)と重宝がっている。 次期米大統領となるのが共和党のマケイン上院議員か民主党のオバマ上院議員か予断を許さないが、日米関係筋は「民主、共和いずれの政権ができても新駐日大使を支えるのはナッパー氏」とみている。

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