日本選手団主将も務めるスピードスケート女子の小平奈緒。金メダルのほか、世界新の期待もかかる(C)時事

 

 9日から開幕する冬季平昌オリンピック大会。日本選手の金メダル獲得の期待が、冬季五輪としては過去最高水準に高まっている。これまでの冬季五輪でメダル獲得数が最も多かったのは、自国開催の長野五輪(1998年)で計10個。内訳は金5、銀1、銅4。次いで前回ソチ五輪(2014年)の8個(金1、銀4、銅3)、アルベールビル五輪(1992年)の7個(金1、銀2、銅4)と続く。今回は、10を超える種目でメダル候補がひしめいている。

 しかも、「絶対王者」と呼ばれる(呼ばれた?)選手が、複数の競技でいる。前回、フィギュアスケート男子シングルスで金メダルに輝いた羽生結弦(23)。昨年から国内外のレースで連戦連勝、負け知らずの女子スピードスケートの小平奈緒(31)。そして、ワールドカップ史上最多勝利1位タイの53勝をマークしているスキージャンプ女子ノーマルヒルの高梨沙羅(21)。冬の競技でこれだけ世界の頂点に君臨する選手が揃っているのは初めてと言っていいだろう。

 ところが、本番を目前に控えて、「絶対王者」「絶対女王」の明暗が分かれている。3人がいずれも通常通りのコンディションなら、3人で3つの金メダル、いや羽生は「団体」、小平は「500m」だけでなく「1000m」も併せ、4~5個の期待もできるところだ。しかし、楽観できない状況が、渦巻いている。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。