習近平総書記(右)と握手を交わす金正恩党委員長の表情には、緊張の色がありありと [KCNA VIA KNS](C)AFP=時事

 

 金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は先代の金正日(キム・ジョンイル)総書記、先々代の金日成(キム・イルソン)主席と同じように、側近幹部を多数同行させて特別列車で中国を訪問した。

 先代、先々代との最も顕著な違いは、夫人の李雪主(リ・ソルジュ)氏を同行させたことだ。ファーストレディを同行させることで、北朝鮮が特異国家ではなく、普通の国であることを示したかったようである。

軍人不在の訪中随員

 側近では崔龍海(チェ・リョンヘ)党副委員長(党組織指導部長と推定)、朴光浩(パク・グァンホ)党副委員長(党宣伝扇動部長と推定)、李洙墉(リ・スヨン)党副委員長(党国際部長)、金英哲(キム・ヨンチョル)党副委員長(党統一戦線部長)、李容浩(リ・ヨンホ)外相(党政治局員)、趙甬元(チョ・ヨンウォン)党組織指導部副部長、金成男(キム・ソンナム)党国際部副部長、金炳鎬(キム・ビョンホ)『労働新聞』責任主筆が同行した。

 習近平中国共産党総書記(国家主席)との首脳会談には、李洙墉党国際部長、金英哲党統一戦線部長、李容浩外相が同席した。興味深いのは、崔龍海党副委員長が出席しなかったことだ。崔龍海氏は2013年5月には金党委員長の特使として訪中し、習総書記と会うなど中国との窓口の役割を果たしてきたが、今回の首脳会談には同席できなかった。昨年10月の党中央委員会総会で党組織指導部長に就任し、権力を拡大していると見られているが、ある程度の制限があるのかもしれない。

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