ニューヨーク市内にあるバーでも、「60ミニッツ」でインタビューを受けるダニエルズの映像が流れるほど、全米が注目している (C)EPA=時事

 

 ドナルド・トランプがホワイトハウス入りしてから、投稿するツイッターの数は毎日平均6~7回、通算で3000回ちかくになる。にもかかわらず、性的関係をもったと訴え、現在、全米の話題をさらっているポルノ女優“ストーミー・ダニエルズ”(本名ステファニー・クリフォード)については1回も、一言も呟かず、長い沈黙を続けている。

口塞ぎのための合意文書

 これまで攻撃されれば、何についても猛烈な反撃に出るのがトランプだった。都合の悪い報道に対しては、「フェイク・ニュース」と決めつけて取り合わず、特別検察官ロバート・モラーの捜査については、「魔女狩り」と言って被害者の立場に固執する。しかし、2006年に始まった2人の関係についても、2016年大統領選直前に、突然、口塞ぎのための合意文書がトランプの弁護士から彼女に送られたことにも、その合意によって13万ドルが支払われたことにも、まるで手足をもぎ取られ、言葉を失ったアヒルのようにだんまりを決め込んでいるのは、なぜだろうか。

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