精力的に外遊を続けているムハンマド皇太子(C)AFP=時事

 

 3週間にわたる訪米を終えたサウジアラビア(以下、サウジ)のムハンマド・ビン・サルマーン皇太子は、4月8日(日)にフランスに入り、その後スペインを訪問する予定となっている。

 米国入りする前、懸案の「サウジアラムコ」(以下、アラムコ)のIPO(新規株式公開)について、ニューヨーク上場のため「規制上の譲歩(regulatory concessions)」を求める意向だと伝えられていたが(2018年3月12日『Financial Times』「Saudi Aramco IPO delayed until 2019, UK officials told」)、具体的にどのような交渉があったのか、いっさい漏れてきていない。だが、2018年中の上場はあきらめ、早くても(あるいは、もしあるとしても)2019年にずれ込むことは間違いなさそうだ。

 さらに皇太子は「2兆ドル」の企業価値にこだわり、1バレル80ドル水準への価格回復を待っているのだ、と『Bloomberg』が伝えている(2018年4 月10日21:21updated「Saudi Arabia Signals Ambition for $80 Oil price」)。

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