ペルーの首都リマで開かれた米州首脳会議には、トランプ米大統領もマドゥロ・ベネズエラ大統領の姿もなかった (C)AFP=時事

 

 4月13、14日の両日、ペルーの首都リマで「米州首脳会議」が開催された。

 開催前の注目はなによりも、「米国第一主義」を掲げるドナルド・トランプ米大統領が、米州(南北アメリカ・カリブ海諸国)全35カ国を包括する多国間外交でデビューを飾ることであった。移民を侮辱する言動などから中南米地域では不人気のトランプ大統領だが、独裁化を強めるニコラス・マドゥロ政権下で悪化するベネズエラ問題への対応など、多国間の場でどのように振る舞うかが注目された。

 加えて開催国ペルーは、マドゥロ政権に対し厳しい対応を迫る親米派「リマ・グループ」の指導国でもあり、そのペドロ・パブロ・クチンスキー政権の判断でマドゥロ・ベネズエラ大統領を招聘せず、地域共同体の首脳会合から排除するという、問題の打開に向け一歩踏み込んだ中での開催であった。マドゥロ大統領が首脳会議への出席を強行する姿勢を直前まで崩さない中で、域内のベネズエラを支持する国々との対立悪化など、不測の事態も予想された。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。