2017年8月に開かれた第1回「エネルギー情勢懇談会」。右から2人目が世耕弘成経済産業相。政府はエネルギー問題に取り組む姿勢を見せるが、国会での議論は先送りにしている (C)時事

 

 国の中長期のエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」の見直しが佳境を迎えている。現在の第4次基本計画は2014年4月に閣議決定されているが、法令でおおむね3年ごとの見直しを求められており、第5次計画は早ければ5月にも閣議決定される見通しだ。

「玉虫色」の方針

 基本計画の見直しは、経済産業省の諮問機関である「総合資源エネルギー調査会基本政策分科会(分科会長・坂根正弘小松製作所相談役)」で議論されている。2003年10月の第1次基本計画以来、2007年3月の第2次基本計画、2010年6月の第3次基本計画と見直されてきた。

 焦点は原子力発電の取り扱いだ。第4次計画では原発を安定的な「ベースロード電源」と位置付けたものの、原発依存度は「可能な限り低減させる」とも明記されている。原発推進なのか、脱原発なのか、はっきりと示さない「玉虫色」の方針になっている。

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