全米震撼「リアル版ゴーン・ガール事件」:日本メディア初登場「被害者2人」独占取材の舞台裏

フジテレビ特番『目撃!超逆転スクープ――世紀の誘拐事件&奇跡の生還SP』番組プロデューサー・インタビュー

執筆者:フォーサイト編集部2018年5月3日
インタビューで悲痛な思いを吐露する2人(C)番組提供

 

 周囲から「理想のカップル」と見られていた幸せそうな夫婦の結婚記念日に妻が忽然と姿を消し、警察に「誘拐」と訴え出た夫がいつの間にか「妻殺害」の容疑をかけられ――。デヴィッド・フィンチャー監督、ベン・アフレック主演で2014年に公開されたサスペンス映画『ゴーン・ガール』は、実は「誘拐」は夫の浮気に激怒した妻の「狂言」だったという衝撃の展開に多くの観客が熱狂し、日本を含め全世界で大ヒットした。

 その熱狂冷めやらぬ2015年3月、全米が映画さながらの「リアル版ゴーン・ガール」と注目した事件が起きた。

 カリフォルニア州北部にあるバレーホ警察署に、アーロン・クイン(当時30)という青年から、同棲している恋人が誘拐されたという通報が寄せられる。ところが、現場の状況があまりにも不自然で、恋人のデニース・ハスキンズ(当時29)も2日後に戻ってきた。こうした映画との類似性もあり、警察は早々に「狂言」と断定、メディアもそれに追従。一躍全米から「犯罪人」のような視線を浴びるようになった彼らは、4カ月後に真犯人が逮捕され、紛れもない誘拐事件の「被害者」であった真実が明らかになるまで、「リアル版ゴーン・ガール」という汚名を着せられ続けた。

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