シリーズ:中国「見そこない」の歴史(4)桑原武夫の場合
2018年6月7日
桑原武夫『中国の演劇』『四川紀行』(『世界紀行文学全集』修道社 1971年)『ソ連・中国の旅』(岩波書店 1955年/2008年復刻版)
桑原武夫(明治37~昭和63年=1904年~1988年)は、元京都大学教授(フランス文学・文化研究)で文化勲章受章者。父親の桑原隲蔵は、中国における食人の歴史を実証的に研究したことで知られる京都帝国大学教授で、押しも押されもせぬ“支那学の泰斗”。いわば桑原武夫は、京大文化で純粋培養された知性を引っ提げて戦後の論壇に颯爽と登場し、その“ど真ん中”を闊歩したリベラル派文化人の代表といったところだろう。
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