2018年度予算案が参議院本会議で可決され、一礼する安倍晋三首相ら。まだ予算の1割以上は「借金」で賄うことになる (C)時事

 

 いったいいつになったら「出血」を止めることができるのだろうか。

 政府はこれまで2020年度としてきた、国と地方の「基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)」を黒字化する時期を2025年度に先送りする。6月中に閣議決定する「経済財政運営の基本方針(骨太の方針)」に盛り込む意向だ。

出血を止めることが不可欠

 プライマリーバランス(Primary Balance)とは、一般会計の歳入総額から国債の発行による収入を差し引く一方で、歳出総額からは国債の償還や利払いの費用を差し引いた金額が黒字か赤字かをみる指標。借金を考慮せず、単年度の行政支出が税収によってカバーされているかどうかを示し、赤字ならば、それを賄うために国債発行など国の借金を増やさざるをえなくなる。

 日本は国債の発行残高などいわゆる「国の借金」が1000兆円を超え、GDP(国内総生産)の200%近くに達する。先進諸国に比べてこの比率が極端に高く、財政が危機的状態だと言われ続けている。それを解消するためには、まずはPBを黒字化すること、つまり出血を止めることが不可欠だ。

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