検証「米朝首脳会談」(3)現地乗り込みを目論んでいた「習近平」
2018年6月19日

共同声明に盛り込まれた以外に、何が協議されたのか――(拡大会談で握手する金正恩党委員長とトランプ大統領)(C)AFP=時事
北朝鮮の「完全非核化」の約束が抽象的なものであるとしたが、北朝鮮の「最高指導者」である金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)が「完全非核化を約束」した意味は大きい。
「最高指導者」の約束
1994年10月の米朝枠組み合意は、北朝鮮の姜錫柱(カン・ソクチュ)第1外務次官が米国のロバート・ガルーチ北朝鮮核問題担当大使(いずれも当時)と交わした合意文書であった。2000年の米朝共同コミュニケは署名者の明記はないが、訪米した趙明録(チョ・ミョンロク)国防委員会第1副委員長が米国側と交わした合意文書である。2012年2月29日の米朝閏年合意は、金桂冠(キム・ゲグァン)第1外務次官と米国のグリン・デービース国務省北朝鮮担当特別代表が交わした合意文書であった。
過去の核問題に関する米朝合意は交渉当事者の文書であったが、今回の共同声明は北朝鮮の最高指導者の金正恩党委員長が、国家の最高職責の「国務委員長」の肩書きで「朝鮮半島の完全非核化への確固で揺るぎのない約束を再確認した」と明言した点で、過去の合意文書よりもはるかに重い意味を持つ。
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