この2人の争いが議論の発端だった(2016年の民主党大統領候補指名獲得のための公開討論会で、クリントン氏とサンダース氏)(C)AFP=時事

 

【ワシントン発】 共和党の重鎮であったジョン・マケイン上院議員(アリゾナ州選出)の逝去の報や、「ロシアゲート疑惑捜査」を巡るドナルド・トランプ大統領のジェフ・セッションズ司法長官に対する不満の表明といった報道の陰に隠れてあまり大きな焦点が当てられなかったが、8月23日から25日までの3日間の日程で、イリノイ州シカゴのハイアット・リージェンシーで民主党全国委員会(DNC)の夏季集会が開催され、2020年大統領選挙での野党・民主党の大統領候補選出プロセスに多大な影響を及ぼすことになる同党の規約改正が行われた。

2年間積み重ねてきた議論の末に

 DNC委員、民主党の正副大統領経験者、上下両院の民主党議員、州知事や有力市長、労組幹部らで構成される「特別代議員(superdelegates)」は、いずれの候補を支持するか態度を明らかにしないことから「非誓約代議員(unpledged delegates)」とも呼ばれている。2016年民主党大統領候補指名獲得争いでは、合計712人の「特別代議員」の8割超に相当する約570人は党主流派が擁立するヒラリー・クリントン元国務長官を支持した。その「特別代議員」の圧倒的支援により、クリントン氏は獲得代議員数(特別代議員以外)でバーニー・サンダース上院議員(無党派、ヴァーモント州選出)に約400票差で、どうにか同党の大統領候補指名を獲得した。

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