「児童福祉司2000人増」計画の「画餅」度

執筆者:鷲尾香一2018年9月26日
7月20日、児童虐待防止対策に関する関係閣僚会議で発言する安倍晋三首相(左奥から2人目)(C)時事

 

「もうパパとママにいわれなくてもしっかりとじぶんからきょうよりもっともっとあしたはできるようにするから もうおねがい ゆるして ゆるしてください おねがいします」

 今年3月に東京都目黒区で発生した児童虐待による死亡事件の被害児童である船戸結愛(ゆあ)ちゃんが書いたノートは、衝撃的で多くの人の涙を誘った。

増加を続ける児童虐待

 厚生労働省が8月30日に発表した「平成29年度児童相談所での児童虐待相談対応件数〈速報値〉」によると、2017年度中に全国210カ所の児童相談所が、児童虐待相談として対応した件数は13万3778件(速報値)で、前年度から1万1203件(9.1%)増加し、過去最多を更新した。

 政府はこれまでにも、2000年には児童虐待防止法を作り、また、毎年のように児童福祉法や児童虐待防止法を改正し、児童虐待の防止に対処しようとしているものの、児童虐待は増加の一途を辿っており、まったく歯止めの掛からない状況が続いている。

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