今こそ手腕が問われている(C)AFP=時事

 

 総額10.3兆ルピー(約15.5兆円)という全銀行貸出総額の12%を超える不良債権問題が経済に影を落とす中、インド政府は9月中旬、「バンク・オブ・バローダ」(BOB、本店グジャラート州バドーダラ)、「ビジャヤ銀行」(カルナタカ州バンガロール)、「デナ銀行」(マハラシュトラ州ムンバイ)の国営銀行3行の合併計画を明らかにした。狙いはもちろん、経営の効率化と収益改善を進め、不良債権の圧縮を図ることだが、国営銀行の再編という長年の課題に対する1つの答えも示した形だ。

 航空会社「エア・インディア」(AI)など赤字国営企業の民営化や経営統合、さらには閉鎖という荒療治が再び動き出す可能性も浮上してきた。来春に総選挙を控え、停滞感が強まっていた経済改革「モディノミクス」の健在ぶりをアピールする意図も、政府にはあるだろう。

 いずれにせよ、合併後に誕生する新銀行は総資産10兆ルピー超と、インド最大の商業銀行である「インド・ステート銀行」(SBI)と第2位の「IDBI銀行」に次ぐ国内第3位のメガバンクに生まれ変わる。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。