「砂漠のダボス会議」ではご機嫌でスピーチもしていたムハンマド皇太子(C)AFP=時事

 

 今夏、「サウジアラムコ」のIPO(株式公開)が遠のいた。

 業界では「やはり中止か」と受け止められたが、サウジアラビア(以下サウジ)側は「延期だ」と主張している。同社の企業体質をさらに強靭なものにするため、「下流(精製販売、化学品を含む)」事業を拡充する必要がある、そのため、石油化学に特化している「サウジ基礎産業公社(SABIC)」を買収する、「IPO」はSABIC買収完了後になるからだ、というのだ(『フィナンシャル・タイムズ』=FT=2018年8月28日 “Riyadh insists Saudi Aramco IPO remain on course”)。

 だが、「サウジアラムコ」による「SABIC」の買収は、今年7月に初めて噂が流れ、同社CEOのアミン・H.ナサール氏が確認するまで、「検討中案件」として伝えられたことはなかった(「FT」2018年7月21日 “Saudi Aramco’s Sabic approach casts doubt on IPO timing” )。

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