【特別対談】白戸圭一×篠田英朗:「アフリカ」から見える「日本」「世界」のいま(1)
2018年11月12日

白戸圭一さん(左)と篠田英朗さん(右)の熱のこもった対談は、2時間以上に及んだ
白戸圭一:アフリカをテーマにこうした対談をやる時、直面する問題があります。それは、世界の他の地域と比べると、アフリカに対する日本人の関心がものすごく低いということです。
単に関心が低いだけではなく、経済的な結びつきも非常に弱い。世界全体のGDP(国内総生産)に貢献しているアフリカのGDPの割合も、せいぜい2~3%ですし、日本との貿易も本当に微々たるものです。
篠田英朗:その通りですね。
白戸:このように日本との結びつきも弱く、日本人の関心も低いということで、アフリカの個別の国の政治情勢に対する関心など持っている日本人は極めて少ない。
そうすると、対アフリカ外交なども大して真剣にならなくてもいいのではないか、といった意見も出てくる。そろそろ日本もアフリカから手を引くべきだとか、わざわざ南スーダンのPKO(国連平和維持活動)部隊に自衛隊を派遣する必要などないとか、あるいは企業も、アフリカで商売するために四苦八苦する必要もないという意見が必ず出てくる。これらの意見について、僕は一考に値するとは思っています。
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