【特別対談】白戸圭一×篠田英朗:「アフリカ」から見える「日本」「世界」のいま(7・了)
2018年11月16日
白戸圭一:では、中国をアフリカ側がどう見ているのか。事実関係からいきましょう、
アフリカにおける面白い世論調査があって、1つはBBCが2014年までやっていた調査です。アフリカではケニアとナイジェリアとガーナが調査対象国でした。調査では、次のような質問をするんです。「あなたは、日本(あるいは中国)が世界にとってポジティブな役割を果たしていると思いますか。ネガティブな役割を果たしていると思いますか」。
中国への肯定的な評価はあるが
白戸:2014年の調査で、ケニアでもナイジェリアでも6割以上の人たちが、「中国は世界にとってポジティブな役割を果たしています」と答え、中国を肯定的に評価していました。一方、中国に対する評価が世界で最も低い国は日本でした。日本国内で中国をポジティブに評価している人は、わずか3%(笑)。日本人は中国が嫌いだからでしょう。
もう1つ、アフリカにある「アフロ・バロメーター」という世論調査機関が2016年に、アフリカ36か国で計5万4000人に中国への評価や印象を問うた面接形式の世論調査があります。その結果を見ると、国によって随分差があるけれども、西アフリカのマリでは80%以上の人が中国の働きにポジティブな評価を与えています。最も低い国でも、中国の役割を肯定的に評価している人が30%以上はいました。中国に対する肯定的な評価が高いというのが、アフリカの現実なんです。この事実を『朝日新聞』の「グローブ」でそのまま紹介したら、あっという間にネトウヨの人たちから、ねつ造していると非難された(笑)。
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