出会った際にはハイタッチし合うなどプーチン大統領とが最も親しげだったMBS(C)AFP=時事

 

 10月初旬にサウジアラビア(以下サウジ)人ジャーナリスト、ジャマール・ハーショクジー(日系メデイアでは「カショギ」と報じられることが多い)氏が殺害された事件の後、初の外遊に出たムハンマド皇太子(以下MBS)は、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、エジプトおよびチュニジアを経て11月29日、「主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)」会場であるアルゼンチンのブエノスアイレスに到着した。

 現地からの報道によれば、ウラジーミル・プーチン露大統領と「ハイタッチ」をするほど上機嫌だったMBSは、エマニュエル・マクロン仏大統領およびテリーザ・メイ英首相と個別に面談し、国際社会への「復帰」をスムースになしとげたようだ。

 もともと中国の習近平国家主席も、プーチン大統領同様、事件発生後、MBSに批判的な発言はいっさいしておらず、欧州勢のみが公の場で「事件」を強く糾弾するかもしれないという懸念対象だったからだ。

 MBSはドナルド・トランプ米大統領やトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領とも個別の面談を行い、サウジを含む関係3カ国で「事件を収拾する」ことに成功しそうな展開だ。

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