中国国有企業などによる海外での資源投資がいっそう活発化している。 オーストラリア政府は八月下旬、中国の国有アルミ最大手中国アルミが、英豪系資源大手リオ・ティントのロンドン市場に上場する株式を最大一四・九九%まで取得することを承認した。中国アルミが上限まで取得すれば、豪証券取引所に上場するリオ・ティント株も合わせたリオ・グループ全体の約一一%の株主となる。リオ・ティントに対しては、英豪系資源最大手のBHPビリトンが総額約千五百億ドルで全株式を取得する買収提案を行なっているが、全株式を強制的に買収するためには、まず発行済み株式の九割を取得する必要がある。九%の株主だった中国アルミは、豪政府の決定によってBHPビリトンによるリオ買収に対する拒否権を手にしたことになる。 また、九月十一日には、中国の大手国有資源商社中鋼集団と豪資源中堅ミッドウエストの買収を巡って争っていた豪資源会社マーチソン・メタルズが、保有するミッドウエスト株の中鋼への売却を発表した。中鋼は買収合戦に完勝し、ミッドウエストが保有する五つの鉄鉱石鉱山の権益を手に入れた。このほか、今年四月には国家外貨管理局が石油メジャーの英BPの株式一%弱を取得し、石炭最大手の国有企業神華集団はインドネシアやオーストラリアなどで炭鉱買収に向けた交渉を進める。

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