メキシコ中部イダルゴ州で起きた火災は悲惨な大惨事になった(C)AFP=時事

 

 メキシコで痛ましい事件が起きた。

 誰かが窃盗目的で石油パイプラインに穴を開けたところ、穴が拡大し大量の石油が噴出、そばで不用意な火を使われたのだろう、突然噴煙をあげて爆発し、またたくまに火炎が人々を飲み込んだ。

『フィナンシャル・タイムズ』(FT)が報道するところによれば、死者は91人に上り、さらに大勢の人が負傷している(2019年1月20日午前3時ごろ掲載「Death toll  rises to 73 in Mexico pipeline explosion」)。

『BBC』が報じている動画映像を見ると、爆発前にはパイプラインから石油が数メートル吹き上がり、民衆がバケツやポリタンクで「分け前」にありついている様子が分かる。

 この事件の伏線には、昨年12月1日、第58代大統領に就任したアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領が打ち出した「石油窃盗打倒作戦」とでもいう政策があるようだ(2019年1月10日掲載「FT」記事 「Mexico’s clampdown on fuel theft sparks backlash」参照)。

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