1月2日の記念式典で中台統一の演説を行なった習近平国家主席。その真意は……(C)AFP=時事

 

 習近平中国国家主席が年初の1月2日、北京で開催された「『台湾同胞に告げる書』発表40周年」の記念式典で演説を行った。

 同書は、1979年1月1日、時の鄧小平政権が台湾に「平和統一」を呼びかけたもので、今年が40周年にあたる。

 もともと、鄧小平が「一国二制度」を台湾に求めたのだが、拒否されたため、いまの香港とマカオに適用されてきた。

 周知の通り、1971年、当時のヘンリー・キッシンジャー米国務長官が極秘訪中し、1979年1月1日の米中国交正常化につながった。そのため、中国として台湾に対する有利な政治情勢下にあったこともあり、台湾に強気の姿勢で『台湾同胞に告げる書』が発表されたという経緯があった。

 その40周年記念演説の内容をめぐり、海外のみならず、中国国内でも隠れた議論となっている。

「習近平の焦りが見える」

 日本では、習近平主席の演説における「武力統一」という言葉の解釈をめぐり、「武力統一の可能性が高まった」とする見解と、そうした見解は「曲解」であると批判する意見に分かれている。

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