亡命し、国外からメッセージを送り続けるスペインのプチデモン前カタルーニャ州首相。裁判をどう見るのか…… (プチデモン前首相のYouTubeより)

 

 「世紀の裁判」――当地でこう呼ばれる裁判が、いよいよ2月12日、スペインで始まった。カタルーニャ州で2017年10月に行われた、スペインからの独立を問う住民投票と、その後の一方的な「独立宣言」をスペイン司法はどう解釈するのか。国際的に注目を集めた出来事が、これから数カ月かけて検証されることになる。

「司法の名を借りた復讐」

 最大の争点は、独立を問う住民投票の準備、施行が、「国家に対する反逆罪」に当たるかどうかである。

 被告席に立つのは、「カタルーニャ州独立宣言」を行った前内閣のメンバー(カルレス・プチデモン前カタルーニャ州首相のように、国外に「亡命」した数人を除く)9人、前州議会議長、そしてカタルーニャ文化の継承と独立に大きな影響力を持つ市民運動家2人の合計12人。

 起訴理由は、スペイン憲法に違反すると知りながら住民投票の準備をして実行に移し、独立宣言をしたという、スペイン国家に対する「反乱罪」、住民投票という違法行為に約3100万ユーロ(約38億7000万円)の州の「公金」を不正に使用した罪、大衆を扇動した罪などである。

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