アメリカを見る「世界の目」が変わってしまった

執筆者:ブルース・ストークス2008年11月号

この危機は、歴史の転換点となってしまうだろう。「アメリカが決めたルール」が顧みられなくなることによって。[ワシントン発]世界経済における米国の主導的な地位の後退が加速している。米国自身の景気後退がほとんど不可避となりつつあり、これで消費支出が減速すれば、世界の経済成長の牽引役としての米国市場の信頼性はさらに損なわれるだろう。 また、ウォール街で起きた金融機関の破綻の数々は、米国式資本主義のイメージを暗いものに変え、金融資本の世界における米国の足場を突き崩す一方で、アジアや欧州、中東にある金融センターの成長を促進させずにおかない。 こうした動きにともなって、米ドルの威光もまた陰りを余儀なくされつつある。経済の巨人としてのつまずきは、ワシントンの外交力や世界に展開している軍事力の影響も弱体化させることになるのは避けられないだろう。 もちろん、ただちに巨人が小人に変じてしまったわけではない。米国の消費の規模は今なお世界最大だし、ドルは引き続き基軸通貨の役割を担っている。ワシントンもまだしばらくは突出した戦略的パワーを維持し続けることは間違いない。 だが、後世の歴史家たちはこの金融危機を、米国経済の潜在的な弱体化が白日の下に晒された転換点と位置づけるのではないか。世界経済のバランス・オブ・パワーの変化が加速し、世界を舞台とした米国のリーダーシップの永続性について新たな疑問が生まれた大きな転換点として。

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