バイオ燃料の開発に取り組む「Fulcrum BioEnergy」のHP

 

 英大手石油会社「BP」が2019年2月に発表した、2040年までを視野に入れた恒例の年次『長期エネルギー展望2019年版(BP Energy Outlook 2019 edition)』(以下『BP長期展望2019』)には、ベース・シナリオとも言うべき「Evolving transition (ET) scenario」(以下「ETシナリオ」)以外にいくつか代替シナリオがある。その1つが「Rapid transition (RT) scenario」(以下「RTシナリオ」)と呼ばれるものだ。

『BP長期展望2019』は、我々が直面している課題は「More energy, Less carbon」だ、と基本的認識をしている。つまり、人類が総体として幸せを求めているため、エネルギー需要は新興国を中心に増えるが、一方で環境問題を克服し、持続可能な社会とするためには、世界全体でCO2排出量を減少させる必要がある、という認識だ。したがって、エネルギーシステムが低炭素なものに「移行する(transit)」として、そのスピードと様態がどうなるのか、という観点から整理されている。

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