二月にシンガポールの拘置所を脱走したスラマット・ビン・カスタリ容疑者がインドネシアに密入国し、テロ計画立案に関与していたことがわかった。カスタリ容疑者はイスラム過激派「ジェマア・イスラミア(JI)」の幹部。 インドネシア国家警察は、七月初めに実施した南スマトラ州パレンバンでの摘発作戦で多量の爆発物を押収、JI構成員十人を逮捕したが、その中に最近までカスタリ容疑者と行動をともにしていたメンバーが複数含まれていた。 国家警察によると、カスタリ容疑者は三月ごろ、北スマトラ州にあるスマトラ島最大の都市メダンのベラワン港に上陸した。翌四月にメダンでJIメンバーと合流後、バスで西スマトラ州パダンに移動。治安当局筋は「パダンに潜伏してスマトラの都市部やダムでの爆弾テロを謀議していた」と話す。 カスタリ容疑者をパダンに残し、メンバー二人がパレンバンに向かい、同じく逃亡中のJI指導者、ヌルディン・トプ容疑者と接触。「トプからは、カスタリらへの活動資金の提供と、ジャカルタの国際空港など首都でのテロ計画を進めるよう指示があった」(国家警察当局者)という。 パレンバンでJIメンバーが逮捕されたとき、トプ容疑者は首都ジャカルタのあるジャワ島に戻った後で摘発を免れた。カスタリ、トプ両容疑者は依然逃走を続けている。

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