金正恩「新体制」と「対米交渉」の行方(9)

執筆者:平井久志2019年5月5日
ポンペオ米国務長官(左)への反発は大きい (C)AFP=時事

 

『労働新聞』が、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が「新型戦術誘導兵器」の射撃試験を視察したと報じた4月18日の午後になると、北朝鮮外務省のクォン・ジョングン北米局長が同日「ポンペオ米国務長官が米朝交渉にかかわれば物事はこじれるばかりだ」とし「今後、米国との対話が再開される場合でも、私はポンペオでなく、我々と意思疎通をより円満に図れる円熟した人物が対話の相手になることを期待するばかりである」と窓口の交代を求めた。

「ポンペオ長官以外と対話希望」と揺さぶり

 クォン局長は、「ハノイ首脳会談の教訓に照らしてみても、ことがうまくいきそうなときも、ポンペオが割り込んできただけで、ことがこじれ結果が消え飛んでしまうのが常であった」とした。

 もっとも、「幸いなことは、国務委員会委員長同志とトランプ大統領の個人的な関係は依然として良好であり、国務委員会委員長同志がトランプ大統領と親しくしていることをうれしく思っているということである」と、金党委員長とドナルド・トランプ米大統領の関係は良好であるとした。

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