ジョン・アビザイド駐サウジアラビア大使

執筆者:足立正彦2019年4月30日
 

45.ジョン・アビザイド駐サウジアラビア大使(68)

 ドナルド・トランプ大統領は2018年11月13日、政権発足以降空席となっていた次期駐サウジアラビア大使に元米中央軍(CENTCOM)司令官のジョン・アビザイド退役陸軍大将を指名した(ホワイトハウス公表の声明参照「President Donald J. Trump Announces Intent to Nominate Individual to Key Administration Post」)。

 そして、2019年3月6日の上院外交委員会(ジム・リッシュ委員長=共和党、アイダホ州選出=)での指名承認公聴会を経て、4月10日、上院本会議で行われた採決で、賛成92票、反対7票の賛成多数で、正式に承認された。

 トランプ政権の対サウジ外交については、トランプ大統領の娘婿であるジャレッド・クシュナー大統領上級顧問が非常に大きな役割を担っているため、そのことがトランプ政権発足後からしばらくの間、駐サウジアラビア(以下サウジ)大使が指名されなかった1つの要因であったとの見方もある。

 2018年10月にトルコ・イスタンブールにあるサウジ総領事館で発生したサウジ人ジャーナリストで『ワシントン・ポスト』コラムニストのジャマール・ハーショクジー氏(日本語ではカショギとも)殺害事件にサウジ政府関係者が関与していたことが明らかになり、国際社会からはサウジ政府に対して厳しい視線が注がれている。ハーショクジー氏はサウジのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子を頻繁に批判していたジャーナリストとして知られていた。

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