「国際感覚」「普遍的価値」が鍵を握る「令和の皇室外交」
2019年5月23日
新天皇、新皇后の下でどのような皇室外交が展開されるのだろうか。それは上皇、上皇后の平成の皇室外交とはまた違った相貌を見せることは間違いないだろうが、令和の皇室外交を見ていくときのキーワードは「伝統文化と普遍的価値の調和」にあるように思う。
トランプ大統領との絆固め
平成と令和の皇室外交は出発点からして異なる。
平成の皇室外交は弔問外交という形でスタートした。昭和天皇の「大喪の礼」(1989年2月24日)には世界164カ国の元首、王族、首脳級の賓客が参列し、現在の上皇、上皇后である新天皇、新皇后は「大喪の礼」の前後に数多くの賓客とご会見(外国元首との会談)とご引見(副大統領・首相等元首以下の使節と会うこと)を行った。
これに対して令和の皇室外交は、5月25日のドナルド・トランプ米大統領の国賓としての来日でスタートする。日本政府は同大統領に「新天皇が最初にご会見になる元首」という栄誉を与えることで、トランプ政権との絆を固めたい狙いがあったはずだ。同大統領としても「日本は自分を大事に思ってくれている」と、まんざらでもなかっただろう。
記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。