米日の同盟が「二つの選挙」を乗り切るには

執筆者:マイケル・グリーン2008年11月号

[ワシントン発]アメリカのピュー財団が最近行なった世界規模の世論調査によると、日本人の八二%が米国大統領選挙に強い関心をもっているという。これは調査対象国の中で最も高い率だ(アメリカでさえ八〇%)。世界金融危機や北朝鮮による核開発、中国の台頭などを考えると、アメリカの次の指導者の選択が日本にとってもどれほど重要かという認識が浸透しているからだろう。 実際、当初、自民党が総選挙を十一月四日より前に実施しようとしたのは、太平洋の向こう側で「変革」を掲げる民主党のバラク・オバマ候補が十一月四日の選挙で勝つと日本の民主党に追い風が吹き、自民・公明の連立与党側に逆風となることを危惧していたからだと報じられるほど、両国の政治は連動している(カナダの保守政権も南から「オバマ旋風」の余波を被ることを嫌って選挙日を十月十四日にした)。 日本の総選挙に対する米メディアの関心は大統領選挙に向けられるほど高くはない。だが、米政府やワシントンのシンクタンクのアジア専門家の多くが、米日関係に与える影響という点では、共和党のマケイン候補と民主党のオバマ候補の戦いよりも日本の総選挙の方がインパクトは大きいと考えている。

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