最終18番の勝利の瞬間、雄叫びをあげるウッドランド。その勝利を支えたのは……(C)AFP=時事

 

 米カリフォルニア州の名門「ペブルビーチ・ゴルフリンクス」で開催された今年の「全米オープン」(6月13~16日)。プロ11年目の35歳にしてメジャー初優勝、通算4勝目を挙げた米国人選手のゲーリー・ウッドランドは、いわゆるスーパースターではなく、これまでは、どちらかと言えば地味で目立たない存在だった。

 だが、そんな彼の勝利を米国、そして世界中のファンが温かく祝福し、賞賛している。その背景には、さまざまな物語があった。

支えになるものがあれば

「ショットは完璧じゃなくてもいい。それでも勝てるんだ」

 ウッドランドがそう気づいたのは昨夏の「全米プロゴルフ選手権」のときだった。2日目を終えて単独首位に立ったウッドランドは最終日をタイガー・ウッズ(43)と同組で回り、優勝を競い合った。

 勝利したのはブルックス・ケプカ(29)、ウッズは2位、そしてウッドランドは6位タイだった。その悔しい結果はさておき、そのとき彼はウッズのプレーぶりを眺めながら、ショット以外に頼れるものがあれば、それが自分のゴルフと心の大きな支えになることに気付いたという。

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