やっぱりあったイラン・中国「秘密取引」

執筆者:岩瀬昇2019年6月28日
イランの通信社が報じているが……

 

 米国が主要輸入国向けに6カ月間「免除」していた措置を5月初旬に廃止し、改めて「イラン石油輸出ゼロ」を目指し始めてから初めて、中国がイラン原油を輸入した、と報じられている。

 筆者が最初に目にしたのは、イランの『メフル通信社(Mehr news agency)』の記事「Iran delivers 1st Chinese purchase since May:report」(26 June 2019, 15:39)だった。

 イランの通信社だから、お国柄から、政府の意向に反したものが掲載されるはずはない、と思いつつ読んだが、後述するが、非常に興味深い記載があった。

 さらに『フィナンシャル・タイムズ』(FT)が、「China defies US sanctions by tapping Iran oil supplying」と題する記事を報じているのを見つけた(東京時間2019年6月26日4時ごろ)。

 当該「FT」記事によると、イラン石油(原油+コンデンセート=天然ガス液の一種=)の輸出量は、2018年4月のピーク280万BD(バレル/日)から減少し、主要輸入国への制裁が免除されていた2018年11月から2019年4月にかけて100万BDほどに落ち込んでいる。さらに、中国のイラン原油輸入量は、同国の輸入通関統計によれば、2018年平均が58万6241BD、2019年4月は79万2380BDだったが、5月には25万5065BDに落ち込んでいるとのことだ。

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