「絶望」の中にも「光」は必ずある

『アマンダと僕』監督インタビュー

執筆者:フォーサイト編集部2019年7月3日
©2018 NORD-OUEST FILMS – ARTE FRANCE CINÉMA
 

 パリのごくありふれた日常。ダヴィッド(ヴァンサン・ラコスト)はアパート管理や木の剪定の仕事をしながら、シングルマザーで英語教師として働く姉サンドリーヌ(オフェリア・コルブ)の娘アマンダ(イゾール・ミュルトリエ)の小学校の送り迎えをする日々。ダヴィッドはアパートの新たな住人レナ(ステイシー・マーティン)との関係も次第に深くなってきた。

 市内で起きた銃撃テロが、その日常を破壊した。サンドリーヌは亡くなり、レナは負傷してパリを離れる。残されたダヴィッドとアマンダは、テロ後をどう生きていくのか――その心の動きを繊細なタッチで描き、第31回東京国際映画祭東京グランプリと脚本賞、第75回ヴェネチア国際映画祭マジック・ランタン賞を受賞した『アマンダと僕』が、6月22日からシネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMAほかで全国順次公開中だ(配給・ビターズ・エンド)。

 脚本と演出は、この作品が長編第3作となるミカエル・アース監督(44)。いったいどのような思いで、この映画を製作したのか。監督に聞いた。

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