捏造された数字が載ったダワ君の父親の収入証明書(筆者提供、以下同)
 

 2019年7月19 日午後、筆者の『LINE』に英語の短いメッセージが届いた。

〈ビザは更新できませんでした〉

 メッセージを送ってきたのは、ブータン人留学生のダワ君(仮名・20代)だ。

 2017年10月に来日した彼は、日本語学校で1年半にわたって在籍した後の今年4月、千葉市内の専門学校に進学した。日本語学校当時に一度更新した留学ビザは、7月に在留期限を迎える。そこで再び更新の申請をすると、入管当局から問題を指摘された。そしてこの日の朝、出頭した当局で、更新の不許可を申し渡されたのだった。留学生のアルバイトとして認められる「週28時間以内」を大幅に超えて働いていたからだ。

 ダワ君は当局に対し、アルバイトの給与明細などを提出していた。その書類から違法就労が突き止められた。

「月200時間以上も働いていたようですね。これではビザは更新できません」

 当局での面談で、担当者は彼にそう告げたという。週に直せば50時間も働いていたのである。

 確かに、アルバイトが「月200時間以上」に及んだこともあった。日本語学校当時は週4日の夜勤と週3日の日勤アルバイトをかけ持ちし、休みなく働いた。専門学校に進学後も2つの夜勤アルバイトを合わせて週6日やっている。だが、それも日本での留学生活を続けるには仕方のないことなのだ。

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