日本の皇族と同様、英国王室もエリザベス女王をはじめ王族が外国を訪問し、多角的に国際親善と友好を図り、英外交に大きく貢献している。この十月も、チャールズ皇太子夫妻が訪日する一方、エリザベス女王夫妻が中部欧州のスロベニアとスロバキアを国賓として訪問した。 英女王が両国を訪問するのは初めて。スロベニアは人口二百万人、スロバキアは五百四十万人の小国で、いずれも若い国である。スロベニアは一九九一年にユーゴスラビアから独立、スロバキアは九三年にチェコと分離、独立した。 エリザベス女王夫妻は二十一日、スロベニアの首都リュブリャナ入りした。同夜、晩餐会が開かれ、トゥルク大統領は「欧州で最も古い王室の女王を、欧州で一番若い国にお迎えできて大変光栄です」とあいさつ。女王は「独立後の貴国の目覚しい達成はバルカンの成功物語であり、他のバルカン諸国の模範です」と述べた。昨年通貨ユーロを導入、今年上半期に欧州連合(EU)議長国を務めたことを念頭に置いた内容だった。 女王夫妻は行く先々で大歓迎を受けた。同国は白い美しい馬体が特徴の、世界的にも有名なリピッサ馬の産地で、ハプスブルク帝国時代からウィーンのスペイン乗馬学校に馬術用の馬を供給してきた。女王は大の馬好きで、馬飼育場を訪れた女王に高価な一頭が贈られた。

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