ダン・ブルイエット次期エネルギー長官

執筆者:足立正彦2019年10月29日
 

52. ダン・ブルイエット次期エネルギー長官(57)

 米議会上院での指名承認を受けて2017年3月からトランプ政権のエネルギー長官を務めてきたリック・ペリー氏が年内で辞任することを、ドナルド・トランプ大統領が10月17日、テキサス州ダラス・フォートワース地域で開催された支持者を前にした政治集会の中で明らかにした。

 さらに翌18日には、後任に、エネルギー副長官のダン・ブルイエット氏を指名した(トランプ大統領のツイッター投稿参照)。

 同氏は2017年8月にエネルギー副長官に就任しているが、トランプ大統領は次期エネルギー長官に指名するに際し、エネルギー・セクターにおける経験は比類なきものであるとして賞賛している。

 今後、上院での指名承認プロセスで正式に承認されれば、エネルギー副長官からエネルギー長官への昇格人事となる。

 トランプ大統領の閣僚人事では、最近、長官代行や副長官を長官に昇格させる人事が目立つようになってきており、ライアン・ジンキ前内務長官やスコット・プルイット前環境保護庁長官の後任人事もそうした昇格人事となっている。

「ウクライナ疑惑」の余波で思わぬ登板

 ブルイエット次期エネルギー長官は、副長官に指名されるまではテキサス州サンアントニオに本拠地がある「United Services Automobile Association」(USAA。米軍人や家族のための金融・保険会社)の公共政策担当のトップを務めていた。また、かつては「フォード」副社長としてロビー活動を展開しており、1998年から2000年までは世界最大級のコミュニケーション・コンサルティング企業「フライシュマン・ヒラード」でロビイストとして活動していた。

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