ジェマア・イスラミアも狙っていたムンバイ
2009年1月号
多数の死傷者がでたインド・ムンバイでのイスラム系過激派によるとみられる無差別テロ事件は、犯行組織が隣国パキスタン、特にパキスタン情報機関に関連していると取りざたされるが、同じムンバイで二〇〇七年、東南アジアのイスラム・テロ組織「ジェマア・イスラミア(JI)」がテロを実行しようとしていたことがインドの情報機関の調べで明らかになった。 インド情報機関関係者によると、〇七年中頃、インドネシア人とみられる二人がムンバイに小型船舶で潜入し、海岸沿いにある米国総領事館を狙った自爆テロを計画していたという。一九九三年にムンバイで起きた連続爆破事件の容疑者(指名手配中)を情報機関が追跡するうち、この容疑者と関係があるとみられる地元活動家とインドネシア人の接触を確認した。 そのため、情報機関は二人のインドネシア人の行動確認や身辺調査を開始したが、二人はすでにインドを出国しており、その後の行方は知れないという。なお、JIは最近、インドネシア国内でのテロ標的を、比較的警備の厳しい欧米の施設や機関、あるいは観光客から、インドネシア政府要人や人が集まる公共施設などに変更したという。
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