迷走に次ぐ迷走を続ける麻生政権の体たらくで政権交代が現実味を帯びてきたためか、中央官庁や在京の各国大使館から民主党への秋波が日増しに強まっている。だが、当の民主党の反応は今ひとつで、政権担当能力に早くも疑問符がついている。 霞が関で最も目端が利く財務省は、早くも福田前政権の雲行きが怪しくなってきた八月から民主党にアプローチ。菅直人代表代行、鳩山由紀夫幹事長らとの会談を中心に、極秘裏に意見交換を重ねている。もっとも財務省側の出席者は局次長級が多く、“その程度”の扱いだ。関係者によると、旧大蔵省(現財務省)出身の平岡秀夫衆院議員が民主党側の窓口。農林水産省とのパイプ役は同省出身の篠原孝衆院議員だという。 財務省に負けじと経済産業省も若手官僚と民主党議員との勉強会立ち上げを画策している。同省幹部は「民主党にはうちのOBが多いが、それに甘えて手当てが遅れていた」と巻き返しに躍起だ。 一方、各国大使館も「民主党政権」に関心を寄せる。関係者によると、米大使館経済部分析官は大畠章宏衆院議員ら民主党のエネルギー、金融政策担当者と接触を試みている。 もっとも民主党関係者はこうした働き掛けへの対応について「正直、誰が責任者か定まっていない状態で、十分に対応しきれていない」と、体制作りの遅れを率直に認めている。「準備不足」にはいささかも怠りがない。

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